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業者と提携した通信サービスに取り組む。

?C 規制緩和により誕生した新しいサービス

三菱電機情報ネットワーク社では、自社の長距離用専用線とNTTの公衆回線を接続し、NTTや長距離系新電電より25%以上格安な料金で電話サービスを提供する。公−専−公接続の解禁による第一号の事業者である。全国9カ所のアクセスポイントでNTT回線と接続し、大都市の企業向けに営業を行っていく。また、新日鉄情報通信システムと三井物産ではNTT、日本テレコム、第二電電、日本高速通信が行っている市外大口割引(月額25万円〜30万円で20%の市外通話割引)の単純再販サービスを小企業、個人向けに行う。現状では基本料金が高すぎて利用者が少なかったサービスを、基本料3,000円で20%割引のサービスが受けられる使いやすいものにする。大手VAN事業者のインテックは、所有するVAN回線とNTTの通信ネットワークを相互接続し、全国向けに通信サービスを展開する。サービス開始は98年度になる見込みで、郵政省は二種事業者による一般向け通信サービスに「0091」を用意している。

規制緩和は国内事業者ばかりでなく、海外事業者の参入も促進している。国際料金の内外価格差を利用し、日本からの国際電話を米国等の通話料の安い国からの発信に切り換え、格安料金で提供するというコールバックサービスは、KDD料金より平均40%ほど安い。日本では50社程度のコールバック事業者がいるが、米国AT&T社も日本市場参入を予定している。

また、インターネット上で通話ができるインターネットフォンは、パソコン同士だけでなく一般の電話機でも使えるシステムが開発された。パソコンがなくてもインターネットに加入すれば国際電話や長距離電話が市内料金でかけられる。雑音や1秒程度の遅滞があるなど品質は低下するが、このサービスが広まれば従来の通信事業者は苦しい立場に追い込まれることになる。

 

(2) CATV事業者の通信事業への進出

郵政省は1996年4月、これまでの「テレビ放送はアナログ方式を継続する」方針を転換し、2010年のテレビ放送完全デジタル化を目指す考えを明確にした。アナログ方式での次世代放送技術の実用化を目指していた放送業界・家電業界の反対を押し切る形で、デジタル化の推進を進める。

 

 

 

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